2013年10月27日日曜日

プレーオフのラストまで9連勝はあるのか?(第38節横浜FC)

  森本選手加入でややギクシャクして得点の匂いがしなくなっていた攻撃陣ですが、ケンペス選手を中心とした選手起用で、再び秩序が生まれつつあります。やはり一番相手を恐れないのがケンペス選手なので、彼を気持ちよくプレーさせるメンバーを優先して使おうという結論になったようです。

  1人目が「影武者」田中選手ですね。パワーとスプリント能力は米倉選手以上のものがあります。そしてなによりチームプレーに徹する姿勢と均衡を破る効果的な得点が多いのも魅力です。欠点はパスミスが目立つことでしょうか・・・。

  2人目はケンペス選手が特別に可愛がっている印象の町田選手です。ケンペス選手のプレーエリアにズカズカと入っていくこともなく、常に良い距離感を保ちます。最前線の狭いスペースでのコントロールは大塚・兵藤・谷澤・深井の各選手よりもさらに落ち着きがありチーム1上手いかもしれません。

  江尻コーチが特に厳しく育てているだけあって、プレーのスケールがチームの中でワンランク上です。今日も町田選手が狭いところでキープして立ち往生すると、ケンペス選手が居ても経ってもいられず助けに行ったり、町田選手への悪質チャージの相手選手へ報復のハードチャージでイエローもらったりしてました。町田選手が好きでたまらないようです

  田中・町田のフロント両輪と、米倉・高橋のリア両輪が躍動すれば、間違いなくジェフにとって理想の展開になるのですが、この4WDを上手くつなぐ「クラッチ」役が兵働選手の役割になっていて、センターバックとダブルボランチの4人がボールを奪って攻撃を始める「エンジン」でしょうか。山口慶選手が入ってからなかなかタフなエンジンが出来ていると感じます。

  ポジションを奪われた恰好の谷澤・大塚の両選手はケンペス選手との関係がいまいち深まらず、一時はケンペス選手がベンチという事態になるなど試行錯誤がありましたが、見事に成績が落ちました。この2人の選手はどうもJ2屈指のタレントというプライドがプレーに悪い方に影響している気がします。キープ力はリーグトップクラスの実力なはずですが、ボールを取られる時は大抵は、軽いプレーをしているように感じます。

  プロサッカーなのだから技術で魅せることも必要ですが、チームとして結果を追求できない試合は見ていて悲しいです。サーカスを見に来ているわけじゃないのですから・・・。どうも周りとの連携の中で狭いところでつなげようとするクセが目に付きます。ただこの点は江尻コーチなどからも厳しく言われているようで、途中出場だった谷澤選手がエリア内で「軽い」ハタキを見せて相手に奪われたところを、必死の形相でリカバリーしていました。

  あれだけ上手い町田選手が必死につなぐサッカーをしている姿は、今のジェフファンにとっては米倉選手のファイトに匹敵するカタルシスを感じます。谷澤・大塚領選手もベンチで見ているでしょうから、今後は高い技術で確実につなげるプレーをしていけば、スタメン復帰も適うでしょうか・・・。

  ガンバの宇佐美選手の活躍は凄まじいですね、メッシやファン=ペルシーくらいの選手でもJ2でここまで点取れるかどうかわからないですよ・・・。森本選手にも是非頑張ってもらいたいです。



ジェフ千葉 6-0 ロアッソ熊本   得点者 ケンペス3・田中・高橋・森本


スタメン
GK岡本 6.0△(今日はめずらしくやや不安定なプレーが目立った)
DF米倉 6.0△(攻撃にも顔を出して八面六臂の活躍も、守備がやや荒いか・・・)
DF竹内   7.0△(あの時間に決勝点をアシストしに行くハートがすばらしい!)
DF山口(智) 6.0△(冷静にサイドの米倉選手へのロングパス、これが相手は相当いやそうでした)
DF高橋    6.5△(いよいよ覚醒のときを迎えていますね、ヨネより目立ちつつあります。)
MF山口(慶) 6.0△(チームに安定感をもたらす救世主、波状攻撃を支えてます、守備もえげつない)
MF佐藤(健) 7.0☆(先制点アシストに、ドリブルでの攻め上がりと新たな一面が)
MF兵働  5.5▲(相手の激しいチャージで今日はゲームをコントロールできず)
MF町田   6.5△(ゲームに出続けてミスも減り、全てのプレーにオーラがあります)
MF田中   6.5△(ミスも多いけどチームの為に走り続ける姿勢が、まさにチームの「心臓」)
FWケンペス    6.5△(報復ファールでイエローは余計、決勝点はさすが)

交代
FW谷澤  5.5△(結果は出せなかったが、軽くないニュー・ヤザに今後も期待)
MF森本  6.0△(短い時間だが必死さが伝わってきた、決勝点の影の立役者)
MF大岩  5.5△(高さ要員で投入、田原との肉弾戦はキムか大岩にしかできない)   
  



2013年10月20日日曜日

チームってやっぱりこういうもんだ。(第37節ロアッソ熊本)

  3連敗のあと意地の神戸撃破と、勝手にJ2劇場をロマンティックなものにしているジェフ千葉ですが、天皇杯(FC東京)を挟んでのホーム戦は全くの移動なしが幸いして、苦手な雨もなんのそのの快勝でした。わざわざフクアリ戦前に引退表明して、柏ファンを動員しようとしてくれた北嶋選手のご好意に甘えて、ライバルサポーターの眼前でなかなかインパクトのある試合でした。

  それにしてもベンチメンバーの顔ぶれが・・・、佐藤(勇)・谷澤・大塚・森本と10代でプロデビューし、スター街道にいたはずのエリート軍団が並ぶ・・・。これだけの面子がスタメンに並べばやはりチームとしてまとまるのが難しいのかな? 失礼だがどいつもコイツも気分屋な印象です。米倉・町田といったファンに愛される「いつも全力」の選手とはちょっと違う気がするのです。スタメンに並ぶ他のメンバーも佐藤(健)・田中・山口(慶)とシブいけど堅実さが光る。こういうメンバーならば「チーム一丸」という言葉が似合います。

  セリエAでゴール奪っていた森本をザックジャパンの為に再生するというミッションがジェフ全体にあるようで、とりあえずチームで5-0にしてから、相手がへばった頃合いを見て森本投入。本来は点差を考えるとケンペスと交替したいところだが、森本の1トップでは得点の目処が立たないので、ケンペスを残す。しかしあれほど躍動していたチームが大塚・森本の2人が入るとやはり機能不全に陥る。この試合のジェフの影の立役者・兵働を持ってしても、極力ムダ走りをしないこの2人はとっても使いづらそうだ。

  今日のスタメンの攻撃陣は全員が兵働を信頼して前に前にと突き進んだ。町田・高橋・田中・ケンペス・米倉の5人が躊躇無く突撃を繰り返し、兵働が去年のリズムを思い出したように、彼らを使い始めた。この点差は、熊本の守備が特別に悪かったわけでなく、ジェフの攻撃が晴天時よりも速かったからだ。

  高橋峻希は弾まないピッチのほうが得意なの?と思わせる見事な突破とシュートだったし、町田のトラップとパスの安定感はチームでもっとも上手いのではと感じるほどだった。この2人の出来が普段以上なのがとても良かった。2人ともボールを受けるタイミングでプレースピードが大きく落ちない。森本や大塚、谷澤、佐藤(勇)の好調時に見せるようなプレーをさらっとやっていた。谷澤から高橋へのパスは自分にスペースが無くなったときの「逃げ」のプレーだが、兵働のパスは高橋のプレーエリアを最優先に考えた「攻め」のプレーだ。やはりヤザは0トップの前線がベストなのかな・・・。

  
ジェフ千葉 6-0 ロアッソ熊本   得点者 ケンペス3・田中・高橋・森本


スタメン
GK岡本 8.0☆(序盤から決定的なシュートを何本も弾いた。もし先制されていたら結果は?)
DF米倉 6.0△(先制アシストから全てが始まった、チームリーダー的働き!)
DF竹内   6.0△(闘志と責任感。男気を感じさせる風貌もまた良いです)
DFキムヒョヌン  6.0△(底知れぬ才能を感じる。ザックJでスタメン張れるくらいの実力ありそう)
DF高橋    6.5△(ドリブルとシュートが進化!左でも伸び伸びできてますね。)
MF山口(慶) 6.0△(波状攻撃を後ろで支える、やはりベテランやはり本職といったところか。)
MF佐藤(健) 6.0△(ヨネと並んで絶対スタメンの実力を発揮した、やりやすかったのでは)
MF兵働  7.5△(ジェフの攻撃を立て直した!シュートを打たせるパスが次々炸裂!)
MF町田   6.5△(まだまだ凄いプレーが出来そう、ボール持った時の期待感はチーム1)
MF田中   6.5△(ミスも多いけどチームの為に走り続ける姿勢が、まさにチームの「心臓」)
FWケンペス    7.0△(今期三度目の「ケン・フェス」プレーオフでの炸裂を期待したい)

交代
FW大塚  5.5△(決めろ!全力でやったらどれくらい出来るの?)
MF森本  5.5△(決めた!チームが点取らせようって甘やかしすぎじゃ・・・)
MF佐藤(勇)  5.5△(2列目の左がベストポジションか?ケンペスの影で暴れてくれそうだが)