2014年3月30日日曜日

悔しい敗戦と敵将の高笑い(第4節Vファーレン長崎)

  悔しすぎて低すぎるテンションで1週間を過ごしました。長崎が去年ほど強くないというと失礼かもしれませんが、兵働選手の使い方がちょっと納得いかなかったですね・・・。勝てた?とか言っても仕方ないことですが、この試合に限っては「作戦負け」の感が強く残りました。前半の2失点は完全に想定外だったと思います。これまで4戦さほど攻め込まれなかったというある種の油断がハッキリ見てとれました。もちろん長崎の決定力を褒めるべきですが・・・。

  それでも2点のビハインドをどうにかする力はあったように思います。前半の終了間際の波状攻撃はチーム全体で取りに行くという意思統一を感じました。特に2失点喰らったCBの山口智・大岩の両選手の「自分が取り返す!」という意識はとても高く、大岩選手の果敢な攻め上がりは3回ともビッグチャンスにつながりました。これはこの選手の攻撃能力の高さを示しています。右SBが竹内選手ですから、時間帯によってポジションチェンジも可能なので今後のオプションとしてアリなのでは?広島の塩谷選手のようなブレイクを期待したい。

  それでもこの試合の最大の見所は後半から始まった「兵働ショー」。J2のプレーヤーとしては異次元の空間把握能力とパスセンスを持っていて、ボランチの位置から面白いようにコントロールしてました。ロングパスを封じるために相手が寄せればテクニックのある町田・山中の両選手とワンツーを見せるなど、これまでにない「打開」力を見せたと思います。ここにナム選手が加われば「夢のカルテット」が完成しそうな雰囲気。もちろんテクニックに優れる大塚選手・谷澤選手が入っても「化学反応」が起こるかもしれませんし、もしかしたら佐藤勇人選手の追加でさらなる「爆発」もあるのではないかと密かに思っています。

  ケンペス選手が復調して去年のような「フィジカルモンスター」っぷりを発揮すれば、もっと楽に闘えるようになると思いますが、もし調子がなかなか戻らないならば、「兵働オールスターズ」による「0トップ」でも良いのではないか?という気がします。長崎戦では左ワイドを完全に中村選手に任せて、中央を制圧する作戦だったようですが、できれば右ワイドにもサイド適正が高い選手(ヨネク〜ラがいれば・・・)が入るといいですね。縦に速くて1人で打開できる選手。とりあえず今のところ山中選手しか思いつきません。シーズン初の右サイドを後半やってましたが、ポジション取りに戸惑い全くボールが引き出せていませんでした。

  さて次節のホーム熊本戦では、いよいよ右サイドに山中選手を入れての「進化型」の攻撃が見られるでしょうか。熊本は前節で巻選手に代わってスタメンに入った新人の澤田選手がいきなり結果を出しました。フクアリ凱旋で巻選手の奮起も期待できますが、もしかしたら澤田選手が出てくるかもしれません。大岩選手には絶対にこの中央大の後輩にゴールを奪われるといった「失態」は避けてもらいたいですね。橋本選手という20歳の元気な選手がいます。去年の長崎の幸野選手と同じくFC東京ユース出身のエリート「レンタル」選手に弱いジェフですからちょっと気になります。もう負けは許されない状況なので、自信を持って自分達のスタイルで攻めまくってほしいです。

2014年3月16日日曜日

ケンペス決めろ〜!岡本が掴んだ勝ち点1 (第3節東京ヴェルディ)

  前節で苦しみながらも、チームワークの守備で勝利したジェフ。今節のメンバーも「チームワーク」重視の編成で、25歳前後の4人の主軸(森本・町田・大岩・中村)に5人のチーム愛溢れる「汗かき屋のベテラン」(田中・山口慶・佐藤健・竹内・岡本)。そして最年長(山口智)と最年少(山中)のスペシャルな2人。とてもいいバランスなんですが、サッカーはそれだけじゃ勝たせてくれない・・・。それどころかこのメンバーの時間は負け試合。

  相手はいくらなんでもヤングすぎる19歳軍団。言葉は悪いが序盤から高校サッカーで見られるような未熟なアフターチャージを連発。まだ町田・大岩の学生サッカーを卒業して間もない選手は上手く対応していたように見えるが、Jリーグ生活も10年近くなく「汗かき屋のベテラン」が相手の若さゆえの間合いに戸惑う様子。さらに困ったのが不明確なジャッジ。30歳の若手審判を色眼鏡で見てしまう部分もあって、ジェフの選手が激高するシーンが何度も・・・。ゲームが進むにつれてリズムを失ってしまう。

  約60分のスターターでのゲーム時間はほとんど良いところがなかった。ジェフが実力でボールを繋いでいるというよりは、相手の軽卒なタイミングの守備からことごとくジェフがボールを拾っただけ。今期初スタメンの右SB竹内選手はクロスが満足に上げられない欠点を露呈。米倉選手の穴はどうも埋まりそうにない・・・竹内選手、天野選手には悪いが「このチームにヨネが居たらなあ・・・」。W杯を目指してJ1移籍だったと思うが夏になったら戻ってきてくれないか。

  1点ビハインドの後半15分に運動量の多い森本・町田の両選手を下げて、ケンペス・谷澤の「ダブルスーパーサブ」を投入。中村選手のクロスも生きるし、足りなかった仕掛けを谷澤選手が敢行(ちょっと軽いのが気になるが・・・)。これでリズムをあっさり取り戻すのが鈴木采配の真骨頂。ケンペス・谷澤の2人が入ると不思議と元気になる田中選手。なかなかなムードになる中でいよいよ「本物のスーパーサブ」兵働選手を投入。残り15分で完全にジェフが甦る!

  両チームの選手に大変失礼かもしれないが、今日の試合で真の「プロフェッショナル」を見せたのはGKの岡本選手とこの兵働選手だけだと思う。それ以外の選手は頑張ってはいるけどまだまだアマチュアサッカーとの絶対的な違いが出せていない。スーパーセーブが2回の岡本選手はMVP。そして見ていて異次元のスゴさ(これぞプロ)を見せたのが兵働選手。15分間だけだったがピッチを支配した「王様」が降臨した。一昨年見せた輝きの片鱗をみることができた。これは今年のジェフの風物詩になりそう「残り15分の男!」。

2014年3月15日土曜日

難産の末のスーパーゴール!(第2節ファジアーノ岡山)

  悪い予感しかしなかった開幕戦を見て、早くもジェフのサポーターが行動し、第2節で感動の勝利を手にした!めでたしめでたし。サポーターが抗議すればいくらでもチーム力が上がっていくのかもしれません。J1もJ2も実際のところ客観的に見た選手の能力ではなく、どれだけ一丸のなって戦えているかが「チーム力」となって結果を左右しています。数年前は大量補強で話題になった某関西チームがJ2に降格しましたし、某関東チームはチャンピオンチームから監督以下主力選手を次々に引き抜いていますが、優勝には手が届いていません。

  ジェフの開幕戦もそれを象徴するような一戦でした。経営が芳しくない栃木は選手の流出が止まらない状況なのですが、残った選手達が必死に自らの長所を生かしてチームに貢献していました。結果的にジェフは走り負けました。それを感じ取った知性あふれるジェフサポーターは試合後に抗議に及んだ模様。長年ジェフの試合を見て来た人ならば、開幕戦ではジェフは大勝利や今後への希望を必ず見せるチームだと知っているので、今年は明らかに「異常」だと感じていたはずです。

  第2節では今年のジェフのカギを握るであろう町田也真人選手がスタメンに復帰しました。ナム選手よりも大塚選手よりも年上の町田選手がトップ下のレギュラーポジションに定着しました。森本選手、中村太亮選手、大岩選手そして町田選手と25歳前後の4人がいつも以上に自信を持って躍動していて、なにやらチームの中に新しい「共闘心」が湧いてきている様子です。まだまだ今年になってからの「共闘関係」なので高いレベルのコンビネーションなどはなく、「理想のチームワーク」などとは程遠い状況ではありますが、お互いにプレーの理解を深めることでチームとしてさらに高いレベルにいけそうな予感はあります。

  この4人に「フォア・ザ・チーム」の姿勢が高い山口慶キャプテン、佐藤健太郎選手、田中選手、岡本選手といった少し上の世代が周りを固めていて、最年長の山口智選手と最年少の切り込み隊長・山中選手がそれぞれ個性を発揮しています。さて懸案は右サイドで悩みながらのプレーが続く様子の天野選手でしょうか。せっかく横浜マリノスからプレー機会を求めてやってきたわけですから、J2のサッカーでの効果的なプレーを意識してほしい気がします。まだまだ技巧派マリノス的なプレースタイルがジェフの周りのプレーヤーとの温度差を生んでしまっています。

  マリノスならば攻撃時には右サイドを駆け上がっていれば、中村俊輔選手からの正確なサイドチェンジのボールがきたでしょうし、万が一ボールをロストしても、中町選手が機敏にカバーしてくれたでしょう。そしてJ1とくらべていくらか技術が劣るJ2の相手選手は小柄な選手をフィジカルで押さえ込む傾向にあります。昨年の米倉選手は相手を弾き飛ばして前進するタイプでしたが・・・。

  この試合では途中から天野選手に代えて竹内選手が投入されました。J2での戦いを考えると現状では竹内選手の方がベターな気がします。特にジェフのチーム作りを念頭に置くと、やや個性的な天野選手よりも「フォア・ザ・チーム」のアラサー5人目として竹内選手を主力にしたほうが良いのでは・・・。

  それにしてもジェフのベンチメンバーは個性的な実力者が揃ってしまいました。谷澤選手、兵働選手、佐藤勇人選手、大塚選手とジェフ加入時には「救世主」として期待された選手。実際に1人でチームを変えるほどのポテンシャルは高いのですが、ジェフはこれまで十分に使いこなせませんでした。能力が高く個性が強いベテラン選手のオールスターチームは前述の某関西チームの例もあるように、いろいろ難しい面があるわけです。

  そんなわけで、現状では第2節のメンバーに右サイドに竹内選手を迎えた布陣が、「チーム力」を引き出すうえではベストな人選のように感じました。やや粒が小さい印象もありますが、町田選手と山中選手が核となって速い攻撃を繰り出していけば、得点機も増えてくるでしょうし、森本選手と田中選手の本来の決定力はJ2ならば屈指の水準ですから、プレー時間が増えるにつれて爆発してくれると楽観しています。ケンペス選手の復帰でどうなるかわかりませんが・・・。

  第3節の相手は東京ヴェルディ。開幕2連敗中のホーム味の素開催で相当な気概で立ち向かってくるでしょう。ジェフは25歳カルテットがチームを引っぱりますが、ヴェルディは今のところユース出身の高木大輔選手、菅嶋弘希選手、前田直輝選手、吉野恭平選手、安西幸輝選手と18~19歳の選手がチームの中心です。すでに吉野選手はサンフレッチェに売約済みですが、要は選手を育てて売るチーム方針です。彼らが欧州で成功し高額な移籍金が発生すればヴェルディにも「育成費」が入るという現代のサッカービジネスを追求するチームなんですね・・・。18~19歳のユース選手をベンチに1人入れるのがやっとのジェフとは全く違う感覚です。ぜひ「25歳のプライド」を見せてほしいですね。

2014年3月8日土曜日

大岩一貴の決意が見たい!(第1節栃木FC)

  開幕戦はホームで0-2の敗戦を喫しました。サポーターが居残り抗議を実行するなどかなり不満が残る内容だったのは間違いないのですが、何となく勝てるのではないかという緩い気持ちで見ていたサポーターにも責任があるのではという気がします。相手の栃木FCは資金難から希望通りの戦力補強ができないチームという印象がありますが、最終ラインに、チャヨンファン、イミンス、ドゥドゥといったフィジカルに優れる外国人を揃えたとても現実的な戦力。このチームはJ1チーム相手でも易々と負けたりしないのでは?

  もちろんこういうチームを相手にするときの戦い方はあります。代表の香川真司のようなダイレクトプレーの猛者が切り込めば、相手もついてこれずに切り込めるわけですが、ジェフでそういうプレーを得意とするのがナムスンウと森本貴幸の2人。どちらもスタメンではない・・・むむむ。案の定というか、足元で貰いたがる谷澤達也と山中亮輔が次々と弾き飛ばされる展開。

  攻撃陣のエンジンがかからない時に、必死で耐えるのが守備陣の役目なんですが、そこでちばぎんに引き続き先制点献上のミスが出てしまう。またしても失点に絡んでしまったのは大岩一貴。ジェフ期待の若手で、この選手が実力でレギュラーを勝ち取ってチームの象徴になるくらいじゃないと、今年のジェフには勢いがつかないだろう。2戦連続での先制点献上で次節も使い続けるとなると控えCBの士気に関わる。もちろんチーム屈指の堅実なカバーリング能力は見事なんだけど、ミスが目立ってしまうのでちょうど代表の吉田麻也みたいな存在。

  次節の相手・岡山は実力派FWを揃えるJ2の新興スター軍団。林容平、清水慎太郎、押谷祐樹とオラオラで仕掛けてくるから、ジェフの守備陣の真価が問われる一戦になりそう。ただし岡山も急激な戦力補強でまだチームが出来上がっておらず、スペースさえ与えなければ、相手もジェフのように手数のかかった攻撃に陥るだろうから、怖くないかも。

  それにしても町田也真人のようにリズムを変えられる選手がいないとジェフの攻撃は機能しない。まあどんなチームでも同じことがいえるけど。あとは田中佑昌と中村太亮に加えて機動力が生かせる選手を揃えて、相手に走り勝たないと勝利はおぼつかないだろう。竹内彬とキムヒョヌン辺りの力をうまく使える布陣はプランとしてあるのだろうか?

  あとは相手も知らないような若手選手を攻撃陣の一角に投入して、相手のプランを乱して乱戦をものにするくらいのドッグファイト能力がないと、すぐに相手に研究されて勝てなくなる。兵働昭弘、佐藤勇人などのベテラン選手の能力は相手チームは十分に検討済みなのだから、定跡通りの配置では相手の作戦にむざむざ引っ掛かるだけだ。そこがジェフがJ2で一番苦しむポイントだということはサポーターは痛いほど分かっているのだけど・・・。