2014年6月15日日曜日

久しぶりの"ケンペスday"で快勝(第18節京都サンガ)

  W杯の日本の初戦は残念ながら負けてしましました。どうも南半球ということでいつもの調子が出なかったみたいですね。まあ2010年も南でしたが。これまでのチームの流れからやや楽観していた部分もあったでしょうし、香川・岡崎と緊張している選手も多かったように感じました。大久保を先発させた方が良かった? 森重がイエローもらってナーバスになったところに、ドログバが投入され相手のオプション戦術(攻撃的選手が4→5)でマークがハッキリしない中で2点取られてしまいました。相手のラムシ監督は素晴らしい策士でした。そういえば彼がインテルで選手として頑張っていたころにセリエAナンバー1監督と言われたのがザッケローニでしたね。

  さてそんなモヤモヤのW杯とはうって変わって、ジェフは好敵手サンガをホームに迎えて、見事3-0の血祭りに挙げました。今日の日本代表と同ようにパスミスやクロスの精度に難があり、攻撃が噛み合わず得点機を演出できない時間が長かったですが、今節のジェフはチーム全員が守備を楽しんでいるかのように、「インターセプト・ショー」を展開しました。ケンペスも井出も谷澤もどんだけ守備の練習してんだ?というくらいに上手くなってますね!それでも守備の安定感や、奪った後に攻撃につなげる落ち着きで群を抜いて存在感を発揮したのがキムヒョヌンですね。大黒選手・山瀬選手といったJ1上位チームでもスタメンになれそうな手練を完全に抑え込みました。守備崩壊と伝えられる韓国W杯チームでももし入れるなら即戦力になれそうな勢いでした。

  チームの守備意識が高過ぎると攻撃のやり方を忘れてしまうかのように、井出・谷澤のドリブルが影を潜め、有効な攻撃のほとんどが中村・大岩の両SBがらみのサイドで数的優位を作ってCKを貰うという戦術。CKからの決定力が極めて低いのが悩みのジェフですが、今日は貴重な先制点が兵働のCKがケンペスにドンピシャで決まりました。この1本のCKで気を良くした様子で、ジェフ戦に燃える工藤浩平の執拗なチャージを受けながらもジェフのペースを維持する原動力になったのが大きかったです。ちょっとやられているように見える時間もありましたが、兵働&佐藤(健)とキム&山口(智)のセンターラインが最後まで主導権を譲らず、見事にクリーンシートを達成しました。

  ちょっと気がかりなのが、京都戦ということでテンションが上がったせいか谷澤が個人プレーに走り過ぎてしまったのが、攻撃が単調に見えてしまった原因のような気がします。中村との距離感はややギクシャクしていましたし、今日は前を向くことばかりに気を取られていて、井出を見る余裕が無かったような気がします。谷澤のサポートを受けてこれまで躍動してきた井出は今日はまったくチャンスに絡めず、兵働が中盤を支配するための「ボール一時預かり所」的な役割がやっとこなせていたくらいでしょうか。谷澤と井出のピッチを広く使うコンビプレーは、今シーズンすでに幾度となく「美しい攻撃」を奏でてきて、それを見たくてフクアリに来ている人も多いと思うので、ちょっと厳しいですが、昨日は2人とも期待ハズレでした。

  その一方で僅かな出場時間(5分ほど)で、存在感を見せつけたのがナムスンウで、得意技の「3Dパス」を炸裂させたり、緩急をつけたドリブル&ワンツーで中央突破を図り惜しいシュートも繰り出しました。疲労の大塚をフル出場させたのも、大塚&ナムの「ゴールデンコンビ」を試したいという意図があったようです。去年のどの試合だったか忘れましたが、この2人がFW不在のチームを牽引して勝った試合がありましたが、2人の才能が特別な調和を生み出した鮮烈なイメージが残っています。谷澤&井出が「日向小次郎&沢田タケシ」なら、大塚&ナムは「大空翼&岬太郎」といったところでしょうか。また大塚のエリア外からの「ドライブシュート」が見たいです。

  次節はまた九州遠征さらにフクアリホームを挟んでまた九州・・・。メインスポンサーがJR東日本だけに、新幹線使っているんですかね?前節の福岡戦もやや疲れが見えました。今シーズンは九州では2戦2敗。去年は「九州大好きケンペス」が完全に沈黙してしまってします。相手は現在のところ順位が上位の北九州ですから、自動昇格の2位を目指すなら絶対に勝っておきたいです。できればジュビロと2ゲーム差(勝ち点6差)で前半戦を折り返せたら良いのですが・・・。北九州・松本・大分との前半戦残り3試合で全勝してこの3チームよりも上に立っていてほしいですね。


ジェフ3−0京都  得点者 (ジ) ケンペス2、兵働

2014年6月8日日曜日

ケンペスの「脆弱性」・・・(第17節アビスパ福岡)

  朝に代表のザンビア戦を見てて、テンション高いはずの日本があっけなく2失点。ザンビア代表のメリハリのあるパスワークはなかなか見もので、パワーのあるボランチかフォアードを、ぜひこの夏に・・・なんて思ってしまいました。中西永輔、ミリノヴィッチ、巻誠一郎と続き、いよいよオシム・ジャパンが南アフリカを目指し始めた頃までは、ジェフとW杯の関係は非常に良好だったのですが、今回は・・・ミリガンがグループBという「無理ゲー」に挑むのがちょっとした楽しみですね。もちろん日本にはわざと「C組2位」になって決勝進出を伺って貰いたいです。決勝でブラジル倒しての「優勝」も川島さんの出来次第では無いことも無いと思うのですが・・・。

  さて今節のジェフは・・・代表のザンビア戦4得点と比較なんてとてもできないほどの、「貧し過ぎる」内容でした。福岡は曇りで絶好のコンディション、ジェフの苦手な「レイニー・マッチ」は避けられたのですが(関東地方は大雨)、「レベル5スタジアム」ってキャパがあり過ぎなせいか、6000人程度の観客でもなんだか寂しい雰囲気が画面から伝わってきます。なんかジェフが躍動しなさそうな予感がゲーム前からありました・・・。

  前節までのひたすらに相手を圧倒するパスワークを見せてきたこともあり、福岡ももちろんジェフを研究済みで、フルコートプレッシングを仕掛けてきます。それでも試合序盤はチームワークというか相互の信頼関係から、狭いスペースでも臆することなくボールを繋ぐジェフが見られましたが・・・。前半の10分までにケンペスの悪いクセとも言える、中盤に下がってのパス回し参加から、立て続けにケンペスがロストを繰り返し、挙げ句の果てに相手の老練な古賀選手の挑発にノってしまい退場一歩手前の派手な大立ち回り。これで完全に勝ち運が逃げたようで、あとは森本の幻のゴールを除けば、ダメな方の「ため息」の連発でした。

  ブラジル人なのに攻撃陣で一番テクニックが無いケンペスのポジショニングは、しばしばジェフのプランを台無しにする波乱要素です。かつてジェフで活躍したオルデネヴィッツや崔龍洙もケンペスと同じような足元のテクニックに乏しい選手でしたが、コンスタントな活躍でジェフの歴史にその名を刻みました。もちろんケンペスもオルデネヴィッツ以来の得点王を昨年獲得しました。しかしJ2得点王にも関わらず、ガンバや徳島といった昇格チームから声がかからなかったのは、チーム戦術における器用さに難点があると判断されたからかもしれません。

  それでも私はケンペスの、その「人情味」溢れるファイトスタイルは好きです。オルデネヴィッツや崔龍洙が示した役割に徹するプロフェッショナルな姿勢はもちろん素晴らしかったですが、ケンペスのような「波」があって「不器用」な選手は不思議と感情移入ができます。活躍すれば共に笑い、ノーゴールで負ければ共に涙して、余計なイエローカードを貰えば「何やってんだ〜」と野次りたくなる・・・。そんなジェフの試合がやっぱり好きなんですよね。

  さて、ジェフの掲示板で井出・大塚の両名が叩かれてました。井出は確かにフィニッシュのシーンで慌てる辺りにまだまだ若さを感じますが、前を向いてボールを持ったときは、兵働・谷澤・大塚よりもプレーの幅があってワクワクします。これでケンペスに決めさせるラストパスが出せるようになったら、完全にチームの顔になれると思います。大塚は今節もケンペスに決定的なパスを供給するなど、毎試合コンスタントに「決めるだけ」のラストパスで魅せてくれていると思います。課題としては攻撃時にケンペスとの位置関係が悪いケースが多いことでしょうか。ケンペスだけでなく、井出や谷澤とフィニッシュのシーンで「被る」というシーンが減れば、自然と結果がついてきそうな気がします。

  さて次節は難敵の京都をフクアリに迎えます。前半戦を終えたときにきっちりとプレーオフ圏内に入っておくためにも、絶対に勝ち点3が欲しいです。攻撃陣には工藤・山瀬・大黒といった技術と経験を兼ね備えた実力者が揃いますが、守備陣に安定感がなくジェフと同じくらい中位を彷徨っています。福岡戦よりはチャンスも多く作れそうな予感がします。負けたら「チェンジ」がルールと成りつつあるジェフのスタメンにも注目したいです。


福岡1−0ジェフ   得点者 (福) 金森

  

2014年6月7日土曜日

谷澤達也&テクニカル・ボーイズはどこまで通用するか? (第16節愛媛FC)

  ゲーム序盤での「つば迫り合い」から、最年少の井出が物怖じせずにアジリティを発揮して、完全にジェフペースのままの90分でした!見ていてジェフのパスワークに「ワクワク」するも、相手ゴールキーパーの奮闘でセットプレーからのケンペスの1ゴールのみに終わったことに課題が残ります。それにしても井出の「リードオフマン」的な働きは素晴らしい!ジェフの他の選手も自然と躍動を始めます。さらに実質的に「ルーキー」のプレーヤーにここまでやられたら、どんな相手でも浮き足立ちますよね・・・「誰だアイツは?」未知なるプレーヤーに対する恐怖感はジェフも痛いほどよくわかっています。昨年の幸野選手(長崎)や清水選手(岡山)に遭遇した時には、チームの混乱ぷりが・・・。

  「谷澤の法則」というのがありまして、本人も無意識にやってしまっているクセなのかもしれませんが、「足元が下手な選手にはパスを出さない」傾向があります。ちょっと失礼な話になりますが、テクニックよりもスピードやパワーに長けているケンペスや田中が、谷澤からのパスで決定的なシーンを迎えるのをあまり見た事がありません。その一方で井出の決定機のほとんどは谷澤からのパスだと思います。そもそも去年までの谷澤にパサーとしてのイメージなどほとんどありませんでした。両SBの米倉・高橋へのパスは、谷澤の選択肢では一番下に置かれているかのように、積極的ではなかったですし・・・。

  ましてや谷澤と逆のサイドでプレーする事が多かった田中とのパス交換なんてほとんど無かったのですが、今年に入って反対サイドを務める井出へのパスは多いのです。これじゃあケンペスや田中がイライラして自分のプレーができないのも納得です(昇格できないのも・・・)。さて井出が谷澤とのコンビネーションで頭角を現し、さらに中村も谷澤のサポートを受けて伸び伸びと左サイドを駆け上がっています(パスが来ないことも多いですが・・・)。

  さらにベテラン谷澤の秘めたる能力を引き出しているのが、「天才トラッパー」大塚で、谷澤がボールをこねくり回す展開に陥らないように、素早くポジションを寄せます。町田に勝るとも劣らないセンスでワンツーを返してくれる大塚は、谷澤にとっては井出と並んでお気に入りのようで、谷澤の選択には「中村よりも大塚」という傾向が見られます。大塚・井出と2列目を形成する谷澤にとっては、まさに「谷澤軍団」みたいなやり易さを感じているように見えます。

  しかも「谷澤軍団」はベンチにも控えていて、最近ではリードしている展開でも町田・山中・ナムスンウという「ベンチ谷澤軍団」が投入されることが多いです。ただし井出や大塚よりも先に谷澤が交代になることもあるので、親分・谷澤と十分に絡めないメンバーもいて「軍団」の実力の全貌はまだ明らかにされていません。「軍団」の5人の若手プレーヤーはいずれも類希な才能を持っているのですが、なぜか谷澤がピッチからいなくなると、突然に機能しなくなったりします。なんとも不思議な「谷澤現象」だなと思います。

  さて、「オレたちって、間違いなくJ2で一番上手いよね!」とか言ってそうな、ナルシストなプレーを連発する「軍団」ですが、まだ半分以上の日程が残るシーズンを最後まで自信満々に突き進むことができるでしょうか?主導権を握られて完敗したジュビロや湘南相手に見事に雪辱してくれるだけのポテンシャルはありそうです。親分・谷澤が試合に出られなくなった時がちょっと心配ではありますが・・・。


ジェフ1−0愛媛  得点者 (ジ) ケンペス

2014年6月6日金曜日

大岩一貴 の力が発揮されるポジション(第15節横浜FC)

  いよいよチームが本格化してきたところで、エースの出場停止で・・・スコアレスドロー。横浜FCのCBコンビ(ドウグラス選手と野上選手)の高さとスピードに、ジェフのテクニシャンばかりを集めた攻撃陣では「歯が立たなかった」印象は否めません。「香川真司」を前線に4人置いたチームがあったとして、それが欧州で通用するか?というと絶対に無理だと感じてしまいますが、今回のジェフの闘いぶりはまさにその「実験」を実際にやってしまいました(そして見事に失敗しました!)。

  ジェフの首脳陣の一人である江尻コーチは、バルセロナが欧州の権威だった頃のサッカーにかなり傾倒していると言われています。もしかしたら、「J2のバルサ」を気取ったスタメンだったのかもしれませんが、いくら才能豊かとはいえ、メッシやイニエスタのように個人の力でいくらでも打開できるほどの「絶対的サッカーセンス」があるか?といわれれば・・・残念ながらそこまでは達してないです。一番バルサらしい動きができるのは、ベンチに座っていた山中選手じゃないかという気も・・・。

  それでも全くノーチャンスというわけでもなく、2−0くらいで勝っていてもおかしくなかった。兵働・谷澤・大塚・町田の4人が欧州サッカー並みのミドルシュートの射程と正確性を持っていれば、ジェフがかなり実現できている高い「ポゼッション」率がそのまま圧倒的な破壊力につながりそうな予感はありますが・・・。ポゼッションに関しては、兵働&佐藤(健)の「ダブル・レフティ・ボランチ」が今のところは効いています。相手チームも守りにくくて仕方がないといった感じです。

  さらに左サイドを制圧する中村は「1対1の強さ」を武器にジェフの原動力になっていますが、ここ数試合で右SBを務める大岩が伸び伸びとアタックを仕掛けるようになり、両翼のバランスがとれてきました。大岩もドリブル技術こそ中村には及びませんが、持ち前の身体能力で相手のプレッシャーに怯まず、高い位置でもボールを支配できています。右足のクロスならば精度も中村に劣らず素晴らしいものがあります。さらに今年に入って(去年もだけど)相手のカウンターからの失点を重ねていた右サイドも、大岩とキムヒョヌンがことごとく防いでいて、驚くほどにピンチのシーンが減りました。もちろん決定的チャンスを作られることもありますけど、あの湘南戦での屈辱的な敗戦を喫した頃の守備とは見違えるほどです。

  江尻コーチが監督を努めていた頃から、追い求めていた「ジェフのバルサ化構想」に対してファンからも「身の程を知れ!」みたいな批判も浴びせられましたが、今改めて、鈴木=江尻体制の元で集められた選手達(山中・中村など)を見て、「何かを期待するのも悪くないかも!」といった気持ちが湧いてきます。さらなる「バルサ化」に向けて、やはりプジョルやピケのような「最終ラインのスター選手」を育てる必要がありそうです。CKからの決定力や、こぼれ球を相手ゴールに叩き込むミドルシュート、最終ラインからのロングフィードで決定機を演出するといった「華々しい活躍」ができるディフェンダーが求められます。

  前半終了直前に見せたキムヒョヌンのミドルシュートもこれまでには見られなかったプレーです。Jリーグ初ゴールを決めてからいよいよ自信を持ったプレーがどんどん期待できそうです。そしてなによりプジョル、ピケと言えば「1対1」における圧倒的な強さです。キムヒョヌンと大岩この2人が今後のジェフのさらなる進化を担っていると感じられるゲームでした・・・。