2014年6月6日金曜日

大岩一貴 の力が発揮されるポジション(第15節横浜FC)

  いよいよチームが本格化してきたところで、エースの出場停止で・・・スコアレスドロー。横浜FCのCBコンビ(ドウグラス選手と野上選手)の高さとスピードに、ジェフのテクニシャンばかりを集めた攻撃陣では「歯が立たなかった」印象は否めません。「香川真司」を前線に4人置いたチームがあったとして、それが欧州で通用するか?というと絶対に無理だと感じてしまいますが、今回のジェフの闘いぶりはまさにその「実験」を実際にやってしまいました(そして見事に失敗しました!)。

  ジェフの首脳陣の一人である江尻コーチは、バルセロナが欧州の権威だった頃のサッカーにかなり傾倒していると言われています。もしかしたら、「J2のバルサ」を気取ったスタメンだったのかもしれませんが、いくら才能豊かとはいえ、メッシやイニエスタのように個人の力でいくらでも打開できるほどの「絶対的サッカーセンス」があるか?といわれれば・・・残念ながらそこまでは達してないです。一番バルサらしい動きができるのは、ベンチに座っていた山中選手じゃないかという気も・・・。

  それでも全くノーチャンスというわけでもなく、2−0くらいで勝っていてもおかしくなかった。兵働・谷澤・大塚・町田の4人が欧州サッカー並みのミドルシュートの射程と正確性を持っていれば、ジェフがかなり実現できている高い「ポゼッション」率がそのまま圧倒的な破壊力につながりそうな予感はありますが・・・。ポゼッションに関しては、兵働&佐藤(健)の「ダブル・レフティ・ボランチ」が今のところは効いています。相手チームも守りにくくて仕方がないといった感じです。

  さらに左サイドを制圧する中村は「1対1の強さ」を武器にジェフの原動力になっていますが、ここ数試合で右SBを務める大岩が伸び伸びとアタックを仕掛けるようになり、両翼のバランスがとれてきました。大岩もドリブル技術こそ中村には及びませんが、持ち前の身体能力で相手のプレッシャーに怯まず、高い位置でもボールを支配できています。右足のクロスならば精度も中村に劣らず素晴らしいものがあります。さらに今年に入って(去年もだけど)相手のカウンターからの失点を重ねていた右サイドも、大岩とキムヒョヌンがことごとく防いでいて、驚くほどにピンチのシーンが減りました。もちろん決定的チャンスを作られることもありますけど、あの湘南戦での屈辱的な敗戦を喫した頃の守備とは見違えるほどです。

  江尻コーチが監督を努めていた頃から、追い求めていた「ジェフのバルサ化構想」に対してファンからも「身の程を知れ!」みたいな批判も浴びせられましたが、今改めて、鈴木=江尻体制の元で集められた選手達(山中・中村など)を見て、「何かを期待するのも悪くないかも!」といった気持ちが湧いてきます。さらなる「バルサ化」に向けて、やはりプジョルやピケのような「最終ラインのスター選手」を育てる必要がありそうです。CKからの決定力や、こぼれ球を相手ゴールに叩き込むミドルシュート、最終ラインからのロングフィードで決定機を演出するといった「華々しい活躍」ができるディフェンダーが求められます。

  前半終了直前に見せたキムヒョヌンのミドルシュートもこれまでには見られなかったプレーです。Jリーグ初ゴールを決めてからいよいよ自信を持ったプレーがどんどん期待できそうです。そしてなによりプジョル、ピケと言えば「1対1」における圧倒的な強さです。キムヒョヌンと大岩この2人が今後のジェフのさらなる進化を担っていると感じられるゲームでした・・・。


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