2014年7月27日日曜日

森本の背中が山中の闘志に火を付けた(たぶん)。(第23節Vファーレン長崎)

  ジェフにとって最も相性が悪い相手・長崎。チームというより敵将・高木琢也との相性が悪すぎる気がしますね。関塚新監督になって調子は上向きで、ゲームの内容も目に見えてよくなってきて、しかもホーム・フクアリならばどんな相手でも(平塚でも!)そうそう負けないだろうという期待は高く、いくら相性が悪くても下位に沈む長崎には負けは許さん!という空気がありました。

  しかし出場停止が今節は3名もいて、その中に現在のチームの攻撃と守備を支える最大のスター2名・ケンペスとキムヒョヌンが含まれるという危機的状況でした。この2人が居ないとチーム全体が相手に「格負け」してしまう展開になりやすく、この2人が相手の脅威になるセットプレーも完全に迫力不足・・・しかも谷澤不在で左サイドの連動性が低く、山中や中村が粘ってファウルを何度も貰っていたので、通常ならば絶好のチャンスとなる左からのFKも不発に。

  そして長崎の新戦力イ・ヨンジェの突進は凄かった!キムヒョヌンがいれば、こういうタイプには強いので、当たり負けずに抑え込んだかもしれないですが、186cmのポストプレーヤーながら一瞬で前を向くスピードは圧巻で、JリーグにはあまりいないタイプのFWでした。浦和のワシントン?甲府で活躍したハーフナーマイク?・・・いやいやジェフのレジェンドの1人チェ・ヨンスかな。ジェフもこういうFWを獲るべきでしょう!敵ながら天晴れとか思っていたら!ジェフのメンバーにもスゲーのが居た!速いし!強い!なんだこれ!?

  この試合の森本さんは熱かったですね!前半45分はほぼ何も出来なかったジェフの2列目の3人(山中・大塚・井出)が、もっと早く森本の好調さに気がついて動けていれば良かったんですが・・・。長崎もすぐさま「今日の森本はヤバいぞ!」とばかりに守備の警戒レベルを上げてしまったので、前半途中からあまりボールが入らなくなってしまったのが残念でした。欧州帰りの相手FWイ・ヨンジェも凄かったですが、森本だって欧州帰りでしかもセリエAでゴールを幾つも挙げてるストライカーでしたね!相手FWのプレーに反応して欧州でのプレースタイルが甦ってきたかのようでした!

  今日のジェフの2列目は実戦経験の少なさを露呈してしまいましたね・・・。ゲームの流れが目まぐるしく変わり、ピンチの連続と思いきや突如として森本がキレたかのように鬼の形相で単騎で切り込んでいく展開に全く付いていけてなかったですね。完全に「たられば」ではありますが、この試合に出場可能なジェフの選手でこういう展開で一番実力を発揮するのは佐藤(勇)だったと思います。いまだにオシム時代のイメージを引きずっているかもしれませんが、最近の出場ゲームでも攻め上がりのタイミングは抜群に良いと感じることが多々ありました。森本がチェーシングしてゴール前にこぼれたところに背番号「7」が!!!というシーンをジェフファンは望んでいますよ!

  後半に1点ずつを獲りあって、次第にハードワークの長崎の運動量が落ちてくると、にわかに始まった「兵働ワンマンショー」はすばらしかったです。味方の攻めあがりのスピードや、長崎の守備陣形をすべて計算に入れた上で、とんでもないところをズバズバとパスを通してました。まるで往年の中田英寿氏のキラーパスを編集した映像を見ているようで、直線的な「グラウンダーパス・アート」というべきパスに「おお〜!」っと興奮しつつも・・・ふと我に返って「とりあえず1点取って勝ってくれ!」と。これの繰り返しでした。ケンペスがいれば決めてくれたかな・・・。

  ちょっと残念だったのがベンチワークで、田中の投入はもちろん待ち遠しかったのですが、ちょっとエンジンがかかり始めた大塚が直後に交代でやや疑問でした。そもそも田中が先発で!という作戦で良かったように思います。長崎に押し込まれるという考えが無かったのかな?右SBに入った竹内は守備重視型のSBとしてならばジェフで屈指の安定感がありますから、その前方で田中選手をスプリントさせる方が、森本選手にスペースが出来て生きる展開だったように思います。試合をベンチで見つつテンションを上げた大塚がすんなり試合を決めるプレーをするという想像をしてしまいます。

  水曜日にガンバのゲームを見ていたのですが、米倉がガンバの新戦力パトリックを上手く使っているのが印象的でした。去年の米倉はもっぱら使われる側の選手だったのですが、ガンバに入って芸風がだいぶ変わってきています(相変わらず守備が・・・)。去年の内にこのタイミングの良い縦パスをマスターしていたら、森本との強烈なコラボがあったかな・・・なんて思ってしまいました。ジェフの右SBも様々なオプションが考えられるので、ここに一皮むけた選手が登場すれば、さらに強いジェフになりそうな予感がします。



ジェフ1−1長崎  得点者(ジ)山中  (長)奥埜

  



  

  

2014年7月25日金曜日

関塚ジェフにみなぎる全能感(第22節栃木FC)

  いよいよ2014シーズンも後半戦になりました。なかなか厳しいのではないかと思われたアウェーの栃木戦でしたが、常に優位た立場のまま90分をコントロールして勝つべくしてあっさりと勝ってしまいました。新生ジェフの攻撃パターンがまだ解らない相手チームからしてみれば、前半2分の先制パンチを喰らい、その後も狙いが絞れないまま負けてしまった・・・といったところでしょうか。

  関塚監督になってから戦術的に全く新しくなったという印象はないのですが、ケンペスのコンディションが確実に上がってきたことで、チーム全体が自信を持って前を向けるようになったのが大きい感じがしました。前線のケンペスと最後尾のキムヒョヌンが常にチームの為に体を張っているのが、今のジェフの最大のストロングポイントで、とりあえずJ2チームが相手ならば、相手のバイタルでケンペスが暴れることでチャンスが広がりますし、自陣のパイタルはキムヒョヌンが支配しているので、相手の決定的なチャンスはカウンター以外はほとんど無くなりました。

  さらに大岩・中村の両SBもフィジカルの水準はJ1で十分に戦えるレベルにあるので、サイドでの局地戦もここ数試合は常に優勢に立っています。4隅にフィジカルに優れた選手を配し、その間のプレーエリアに足元が得意な選手が詰め込まれているのが今のジェフの特徴で、パスの質がやはり相手よりも数段上です。森本を含む2列目の3人と、両ボランチと山口(智)の計6人はスタミナ面など不安な要素はありますが、高い技術でプレーに余裕がありますので、チーム戦術が大きく頓挫する時間帯が少なくなっています。

  スタメンは今後も流動的な要素は残していて、戦術的にハマれば最強の攻撃の切り札になるであろうジャイールも復帰加入を果たしました。前後左右の4方向に入る"フィジカル"プレーヤーが欠けるとチームバランスが悪くなりそうなので、各ポジションに2人ずつ確保できれば理想ですが、現状では最終ラインでキムヒョヌンの代役が務まる選手が見当たりません。大岩・竹内の両名が一応の候補ですが、今季はまだCBで機能している姿を見てないのが不安です。右SBの大岩を補完するのが田中で、左SBの中村の代わりはジャイールか山中のどちらかになりそうです。

  ケンペスの代わりはやはりジャイールか田中のどちらかですね。このポジションに戸島・オナイウの期待の若手FW陣が候補に上がればいいのですが、まずは実戦で見ないことには・・・。しかしケンペスは今季早くも8枚目のイエローカードで2試合の出場停止という緊急事態で、しかも相手は大型補強の難敵・長崎!これまでさんざん恩返し弾を喰らってきたジェフとしては深井さんからの強烈な一撃に注意したいですが、キムヒョヌンの183cmが最高のジェフのフィールドプレーヤーにとっては脅威となるビッグな選手が並ぶ長崎の攻撃陣を跳ね返すことができるのか!・・・オーロイがいた時代が懐かしいですね。


栃木FC0−2ジェフ千葉  得点者 (ジ) 井出、ケンペス

2014年7月6日日曜日

豪快に4発快勝そして森本貴幸の蘇生 (第21節大分トリニータ)

  第19節・第20節と連続して0-1の敗戦が続き、さすがに悔し過ぎて何も書けなかったです。負けるゲームから学ぶことはいくらでもあるでしょうが、この2試合のジェフはゲームを支配しつつもシュートを外しまくるという愚行を180分間も続けました。京都に快勝したことで有頂天になり過ぎたか?・・・愚かすぎる。山瀬・大黒といった代表クラスの実力者を擁するチームには全力で立ち向かうけど、松本や福岡といった相手に対しては油断こそしてないでしょうけども、どうも力が入っていません。集中力の問題かな?という気がします。

  今節は「連敗」と「谷澤の負傷離脱」を受けて、スタメンおよび戦術を一部変えてきました。結果が出てないのに井出を使い続けるのはチームにとって必ずしもプラスにならないだろうと思っていた矢先のスタメン落ちで、谷澤&井出"テクニカル"コンビの代わりに、森本&田中の"フィジカル"コンビを使ってきました。その他は同じメンバーで、勝ち負けに関わらず圧倒的なボール支配率を毎試合誇っている兵働&大塚のコンビネーションを軸に、前線とサイドに球際の強い選手が配されました。

  兵働が大塚や佐藤(健)との細かいパス交換からリズムを作って、サイドの深いところにロングの浮き球を配給できるのがポイントのようです。今年のジェフは圧倒的に左サイドからの攻撃が多いと言われていますが、今日は1点目、2点目、3点目と全て右サイドからの仕掛けでした。ここまでスカウティングと違う戦術で攻撃を仕掛けられては相手チームもひとたまりもないですね。いきなりの"左足"クロスから先制点をアシストして自信を持ったようで、今日の田中は一貫して迷いがなかったですね。

  とにかく球際に強い選手が多いと攻撃に迫力がありますね。大塚はちょっと苦しいものがありましたが、森本&田中のコンディションが良かったこともあるでしょうが、ケンペス並みの強さを発揮してくれてだいぶ試合が楽になりました。兵働のロングパスが50:50のボールだとしても、かなりの確率でマイボールにできるというのが大きいです。大分には失礼ですが、この攻撃がJ2屈指レベルのDFにどれだけ通用するかが後半戦の関塚ジェフの行方を左右しそうです。

  森本、田中、山中が次々と結果を出したので、チーム編成もいろいろと悩ましくなりそうです。兵働&大塚の軸を残して、谷澤(&井出)をベンチに座らせる編成になるんでしょうか。それとも新戦力が発表されて関塚色の強いスピーディな攻撃を繰り出すチームに生まれかわるのでしょうか?


大分トリニータ2ー4ジェフ千葉  
得点者 (大)風間、高木  (ジ)森本2、ケンペス、山中